介護業界は女性にやさしい業界

働く女性にとって、家庭と仕事が両立できるかというのは、非常に大きな問題です。福利厚生の充実度も非常に気になるところです。

そんな中、「育休制度がしっかりと整えられている」という点で評価が高いのが介護職です。なぜ介護職では「育休制度」が充実しているのでしょうか。

その理由として、介護職は他職よりはるかに「労働者の心身のサポート」に対する関心が高いという側面があります。というのも、基本的に介護職は慢性的な人材不足であり、人材が他の施設に流れることは施設にとって死活問題なのです。人がいなければ介護運営は成り立ちません。一人一人が少しでも働きやすい職場環境を作らなければ、運営自体が危うくなるのです。

また、スタッフは「老い」による心身・脳などの不調を訴える利用者だけでなく、「労働のなかで不当な扱いを受け、心身が疲弊した」ことによって病気を患ったような高齢者の方々の心・身体のケアも行っています。そうした方々に温かく寄り添うには、スタッフ自身の心に余裕がなければできないことです。働きやすく、居心地のよい職場環境でなければ、真心の介護サービスは提供できないといっても過言ではないのです。

そんな背景から、多くの施設が積極的に福利厚生制度について見直し、復職のサポートも徹底し、育休中の給与に関しても色々な改善が行われています。女性の社会的立場の低さや結婚・出産による休職からの復職の難しさが嘆かれている現代社会で、介護職ではその悪しき習慣を払拭しようとする動きが見られます。まさに、介護職は、女性にやさしく、福利厚生制度が充実してきている職業だといっても良いでしょう。